ここでは、以前、一般社団法人心結(しんゆう)代表理事 屋宜明彦が、日刊ゲンダイで連載していた「 生前・遺品整理の作法を紹介します」の紹介と、その記事を元に、大切な家じまいの作法についてお伝えしたいと思います。
日刊現代の記事はこちらです。(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/264540)
「年末年始が絶好のチャンス 老親に「家じまい」を促すコツ」を踏まえてお伝えいたします。
家じまい(生前整理)をするときに、実際に行う本人の思いと、お子さんや家族の思いは少し異なる場合があります。
人生100年時代と言われて、終活を考えるシニアの方たちが増えてきていますが、その多くが「残された者に迷惑はかけたくない」という想いがあります。
そんな思いから自分のにおでとは自分でとお見積もりや、ご依頼を受けることがあるのですが、そのご家族からすると、「相談して欲しい」という想いがあります。
しかしながら、実際は、家族が日常的に「早く片付けろ!」「いらないものはさっさと捨てろ!」と一方的に言ってしまう場合があります。
これでは言われた側は心を閉ざしてしまい、片付けを拒んでしまいます。
家族とのコミュニケーション不足で心の行き違いが起こってしまう
お互いの心が行き違ってしまうのは家族間でのコミュニケーション不足が原因でもあります。
離れて暮らしている場合は、親とのコミュニケーションは取りにくくなってしまいます。
電話口で、「必要ないものはさっさと捨てて片付けろ!」と言うような事を言われてしまうと、言われた側は「相談してもどうせ早く捨てろ!」と言われると思うと相談できなくなって言ってしまいます。
このやり取りなどがあるとすれ違いが起こってしまますよね。
ご家族は、相手のためを思って言っているかもしれませんが、実際に言われた側はどう感じるでしょうか?
顔を合わせて伝えていないと余計にすれ違いは起こるものです。
親だからこそつい、相手の気持ちを考えずに言ってしまうこともありますが、私も母に「家じまい」をしてもらうときは、『今は寒いから暖かくなってから片付けようか、それまでに使うか使わないかを考えておいて』など、相手を思いやる言葉をかけながら、軽トラック1台分ほどの片付けに成功しました。
片付けの意味を明確に家族で決定すること
片付けをしろ!
いらないものを捨てろ!
と言われても片付けは何をどうすれば片付けなのか?
いらないものは何か?は人によって異なります。
なので、家族間で、片付けとは?と言う定義を決めておくこと。
そして、不要なものは何かを明確にすることです。
例えば、去年一切使っていないもの、着ていない服などは全て捨てるか売却できるものは売却すると決める。
押入れから出さずにあるものは捨てる。
など、何をどうすればいいのかを相談しておく事をオススメします。
年末年始やお盆など家族が集まる時こそ生前整理の片付けの話をするチャンスです!
普段はなかなか会えなくても、年に一度、二度家族が会うチャンスはあります。
年末年始やお盆など、家族、親戚が集まるときに片付けの話をするとスムーズに片付けができます。
その際にも、相手の主張をしっかり聞くことが大切です。
その上で、自分はどう考えているのか?と言う事を伝えましょう。
一緒に片付けることで家族の絆が深まることもあります
私が母と片付けをした際に、子供のころの通信簿が出てきました。
これをきっかけに『僕ってどんな子だった』『よくしゃべる子だったよ』と会話が弾み、当時の記憶が蘇ります。
同じように、母子手帳やへその緒が見つかることもあるでしょう。
その時の親の想いなどを同時に知ることもできて、片付けを機に、緩みかけた家族のきずなが結びなおされるかもしれません。
2DKの部屋で45リットルのゴミ袋120個分くらいの不用品になりまます。
45リットルのゴミ袋120個分の不用品は、2トントラックで2台半ほどに相当します。
それを一気に片付けるとなると、時間、労力、何より費用もかかります。
毎年、少しずつ片付けながら、家族の絆を深めていくのもいいのいですよね。
「家じまい」はただ片付けるのではなく、家族の想いを結び、つなげていくものです。
年に一度は実家へ帰ってそのような機会を設けるのもいいのではないでしょうか?