ここでは、以前、一般社団法人心結(しんゆう)代表理事 屋宜明彦 が毎日新聞で連載となった、「家じまいの作法」の紹介を順にしていきたいと思います。
この連載は、毎日新聞に、2017年4月から、2018年3月まで連載させていただきました。
毎日新聞での連載はこちらhttps://mainichi.jp/articles/20170519/ddn/013/070/063000c
今回は、「家族が集う年末年始こそ話そう」という記事のを踏まえて生前整理についての話をしていこうと思います。
生前整理を考える人の中には、家族に負担をかけたくない。
「家族に迷惑をかけたくない」という理由から誰にも言わずに片付けを行うという人もいます。
私のところにも80代の方自身がお見積りを取り、ご自身で全て進められる方なども実際にいらっしゃいます。
時には、ご依頼者の息子さんからご連絡をいただき、「自分は全く聞かされていない」とお怒りの場面なども拝見してきました。
「迷惑をかけたくない」終活を行う人の多くはそのように考える方は少なくありませんが、家族はもっと相談してほしいと考えている場合が多いように感じます。
年末年始は家族が集まるイベントなども多く、相談しやすい時期です
お盆とおl正月は家族が集まりやすくなります。
家族が集まるタイミングで、片付けについて色々と話をしてみてもいいと思います。
家族に何も相談せずに本人が勝手に進めることを良しとしない場合もあるでしょう。
もしかしたら、親に片付けをしてほしいと考えているご家族もいるかもしれません。
どんな物を残していくのか?
どのような物を大切にしていたのか?
そのようなことを知る機会というのはなかなかありません。
家族や親戚が集まる年末年始は、そのような想いもしるチャンスでもあります。
家族が集まりやすい年末年始こそ、家族に自分が考える「終活」について話を聞いてもらうといいのではないでしょうか?
片付けをする時に気をつけないといけないこと
ご家族で片付けをする際に、気をつけなければいけないこともあります。
必ずいるのか、いらないのか本人が決断すること
これは片付けを手伝う家族に対してなのですが、「こんないらんやろ!」と家族が思っても本人にとってはとても大切なものである場合もあります。
「早く捨てろ!」とか、「これはいらんやろ!」などと主観で判断して言われてしまうと、腹が立ちますよね。
思わず「手伝わなくていい」となってしまいます。
必ず確認し、その用途や、自分にとってどのような物なのかを確認させるようにしましょう。
確認せずに処分してしまうとトラブルの元になってしまいます。
また、必要なのかどうなのかをしっかり確認し、あまり使ってないようものは、本当に必要なのかよく考えてみましょう。
その時すぐに決断できない場合は、少し時間を置いてから考えるのも手です。
例えば、3ヶ月経っても使わないようなら捨てると決めるとルールを作ることもできます。
その際には、本人が必ず判断し、決断することが重要です。
片付けを一緒に行うことで家族の絆が深まる場合もあります
片付けを一緒に行うことは、何を残して、なのを捨てるのかを明確にするだけではなく、親の想いを子供がしるきっかけになったり、どんなモノやコトをあなたが大切にしていたのか「知る」きっかけになります。
側に居ることが当たり前になってしまっているとあなたの気持ちや、「ルーツ」などはわからなかったりするものです。
大事にとってあった子供が生まれた時からのコメント付きのアルバムや、母子手帳、日記など様々なものが出てくるかもしれません。
その時には、当時の想いをしっかり伝えていきましょう。
片付けはただ綺麗に、迷惑をかけずに最期の後始末をするのではありません。
あなたの「想いを伝え」そして、その想いを「繋いでいく」
そんなメリットもあるのです。
年末年始はただ家族が集まって楽しく過ごすだけではなく、家族にあなたが遺していきたい想い、モノ、コトを明確にし、しっかり伝える。
そんなイベントにしてみてはいかがでしょうか?