「家じまいをどう始めるか」今回は“生前整理”として自宅を片付ける前提でお話させていただきます。
まずは家の中を見渡し、いるモノ(残す)/いらないモノ/売れるモノの3つに大きく分けて仕分ける。
これが第一歩になります。
迷ったら止まってよく見る。序盤は“決める作業”に比重を置くほど、その後の動きが楽になります。
必要なモノは、まずはそのまま置いておけば大丈夫です。
迷うのは「売るモノ」と「処分するモノ」
売却については、最初に目利きのできる業者へ相談するのが賢いやり方です。売る方法はいくつかあります。自分でリサイクルショップや買取店に持ち込む方法と、業者に来てもらって査定・買取してもらう方法です。
これらを上手に使い分けて、売れるモノはできるだけお金に変えていきましょう。
次に「いらない」と判断したモノの扱いです。ここは発想を二つに分けるのがポイントです。時間がかかっても費用を安く抑えたいのか、それともお金を払ってでも楽に進めたいのか。どちらを優先するかで、取るべき手段が変わります。
費用を抑えたい場合、最初に取り組むのは一番シンプルな「ゴミの日に出す」ことです。誰でもでき、もっとも身近な方法です。さらに自治体によっては、クリーンセンター(ゴミ処分場)へ自分で搬入することもできます。多くの地域では重量制で料金が決まっており、比較的安く処分できます。
その次の選択肢として、自治体の粗大ごみ回収があります。これも市区町村で手順は異なりますが、たとえば役所やクリーンセンターに連絡し、指定の方法で申し込む仕組みです。私の住む地域では、案内に従ってコンビニで所定額のシールを購入し、対象物に貼って指定場所へ出しておくと、回収に来てくれます。これも比較的安価に利用できます。
ここまでが「自分でできる努力」の範囲で、総じて費用は抑えやすいメニューです。
業者に依頼する場合の手順とポイント
一方で、体力や時間の都合で「とにかく楽に終えたい。早く終えたい。」という場合は、民間の回収や撤去サービスを使うのが現実的です。
どちらを選ぶにせよ、まずは「売る」「処分する」の切り分けをはっきりさせ、売却は目利きできる専門家に相談しながら進める。そして処分は、自治体サービスを基準に、自分の優先度(安さか手軽さか)に合った方法を選ぶ――この順番で考えると、迷いが減り、着実に前に進めます。
仕分けを進めていくと、「自分で運ぶのは難しい」「高齢で重いモノが持てない」「クリーンセンターに何度も通う車がない」といった現実的な壁にぶつかることがあります。その場合は無理をせず、専門のかたづけ業者に頼る段階だと考えてよいでしょう。
業者には、不用品回収業者、生前・遺品整理の専門会社、引越会社系の処分サービスなど、いくつモノ業態が参入しています。こちらが何をしてほしいのかを具体的に伝えるほど、ミスマッチは減ります。
注意したいのは、業態ごとの“得手不得手”です。処分中心の業者は処分しかしてくれないことがあり、買取色の強い業者は買取は丁寧でも、持ち帰れない物を残してしまう例が見聞されます。依頼時には、処分の範囲/買取の有無/作業後の掃除/仏壇などの供養/荷物の運搬まで含めて一括で相談できるか、入口の段階で確かめておきましょう。
費用はいくらぐらいかかる?
費用感は一律ではありません。遺品整理・生前整理の業界は、監督官庁が付いていないため業者の参入障壁が低く、同じ荷物量でも見積もりが大きくばらつくのが現状です。
A社10万円、B社20万円、C社5万円――このくらい振れることもあるので、複数社で相見積もりを取るのが前提になります。
そのうえで、おおよその相場観としては次のイメージです。
・2DK〜2LDK(約60㎡):20〜25万円程度。
・戸建て3LDK〜4DK(約100〜120㎡):40〜50万円程度。
- ※基本的には料金は広さではなく、モノの量で決まるのであくまで平均となります。処分料金も地域により金額差があるのでお住いの地域により前後します。
依頼側として「こうしたい」という意向を伝え、それに歩み寄って頂ける事業者を選ぶのが肝心です。
見積もり・業者選びポイント
- どこまで対応できるか(買取/処分/掃除/供養までの一括可否)
- 当日の作業責任者(見積担当者と同一か、連絡手段は)
- 作業の後始末(どこまで掃除をしてくれるのか?)
- 追加料金の有無(見積もり時の数倍になった事例も、、、)
- スタッフのマナー(近隣への配慮はあるか、モノを丁寧に扱ってくれそうか)
なお、消費生活センターに寄せられる苦情で多いのは、「作業後が乱雑だった」。
また、「スタッフが全員外国人でコミュニケーションが取りにくかった」という声も一定数あります。国籍の問題ではなく意思疎通の体制の問題なので、見積もり時点で当日の作業リーダーと連絡経路を確認し、仕上げの水準(掃除の有無など)まで握っておくと安心です。
最後に、“頼んでよかった”で終えるための小さなコツ
業者がどこまで付き合ってくれるのか、そしてどんなスタッフが来るのかを事前に確かめましょう。
たとえば、見積担当がそのまま作業責任者として入る体制なら、当日の解釈ズレが起きにくくなります。
生前整理に伴う家じまいは、単なる断捨離ではなく、心と暮らしの整理です。
・自分で仕分けの軸を持ち、難しいところは無理せず専門家の手を借りる。
・費用は“相見積もり+作業内容の確認”で納得度を上げる。
たったこれだけでも、家じまいでの後悔は減らすことができるでしょう。
まずはできることから、ひとつずつ進めていきましょう。
