2018.11.06 家じまい図書館

同じものばかり集めていませんか?高齢者が物を集めてしまう場合の対処法

ここでは、以前、一般社団法人心結(しんゆう)代表理事 屋宜明彦 が毎日新聞で連載となった、「家じまいの作法」の紹介を順にしていきたいと思います。

この連載は、毎日新聞に、20174月から、20183月まで連載させていただきました。

毎日新聞での連載はこちらhttps://mainichi.jp/articles/20170519/ddn/013/070/063000c

今回の記事は「同じものばかり集めていませんか?」という記事から、家族が物を集めてしまって困っている方への対処法を「家じまいの作法」で連載した内容を踏まえてお伝えしようと思います。

同じものを集めてしまう。

同じものを集めてしまう。

同じ物で家の収納が溢れてしまっている。

押入れや、キッチン棚など、収納と言われる所には、トイレットペーパーや、食品用ラップ、洗剤、シャンプー、カップ麺など、開封されないままの状態で、適正な量を超え溜め込まれている。

うちの父が大量のトイレットペーパーを購入して、押入れパンパンに詰めています。

他にも、水なども箱買いし、気がつけばダンボールの山。

注意しても、「腰が痛いし毎回外出るのがいやだから」

「なくなってしまうと困るから」

「何不自由なく育ったお前らには、ない時の不安はわからない」

と言われて取り合ってくれません。

家族がこのような状況で、悩む場合もあります。

高齢者が物を集めてしまうのは「認知症」を疑う場合もありますが、集めてしまう理由はそれだけではないかもしれません。

この記事では、物を集めてしまう理由やその原因、対象方法などを実際にお話を聞いた体験とともに考察していきたいと思います。

物を集めてしまう繰り返し行動の心理とは何かを家族が理解することが必要です。

最初は、特売で安かったから買ったのかな?なんて気にもしなかったと思いますが、気がつくと、あれ?これ前も買っていたんじゃないか?と気付いた時にはすでに収納はパンパンで部屋にも溢れている状況になっていた。

物を集めてしまう時ってどんな時でしょうか?

最近では、地震や台風や豪雨。

今まではそこまで気にならなかった自然災害が立て続けに起こっています。

ニュースでも不安を感じてしまう高齢者も多いです。

高齢者のお宅に片付けに伺った際に感じるのですが、一人暮らしや家族は訪問はしているが離れて暮らしている場合に比較的物を集めてしまう傾向が強いように感じます。

一人でいる場合は不安感や寂しさは抱きやすいです。

その寂しさを埋める為に物を集めてしまうという心理になっている場合もあります。

集めることに夢中になったり、集めることでそこの空間が埋まることで寂しさが埋まるという疑似体験をしているのです。

誰も自分をわかってくれないという気持ちを抱えている

寂しさという心理と同じようで、違う心理が、「誰も自分をわかってくれない」という心理です。

あなたは、物を集める人に注意をしてしまった時に「お前は何もわかっていない」とか、「お前にはわからないんだ!」なんて言われたことはないですか?

寂しさと共に、このような人は誰も自分をわかってくれないという「孤独」を感じています。

その孤独に気付いて欲しい。

自分のことをわかって欲しいという心理が「物を集める」という行為になり気付いて欲しい!と訴えているのです。

認知症を疑う

高齢者の場合は、繰り返し行動は認知症の可能性も捨てられません。

認知症の場合は、この行動以外にも、何度も同じ質問をする。

何度も同じ場所へ行くなどの傾向があるようでしたら一度認知症を疑って見た方がいいと思います。

その場合は、病院へ相談し、認知症の知識を得ることをお勧めします。

過去に体験したことから物が無いと不安になるという人もいる

家じまいの作法でも書いているのですが、以前依頼を受けた際に部屋中トイレットペーで埋め尽くされた家の80代のお客様から言われた言葉です。

「お前は知らんやろうけど、オイルショックがあったんや」という理由で溜め込んでしまったそうです。

オイルショックの時はお店中のトイレットペーパーやティッシュペーパーがなくなりました。

その時に必要な物が無いという不安を体験したことからなくなった時の不安で溜め込んでしまうそうです。

それ以外の不安では、「腰が痛いから毎日外に出るのが面倒」、「捨てるのが勿体無い」「物を大切にする」などの理由から溜め込んでしまうという人もいます。

それぞれ理由はあるのですが、最近ではコンビニでもらう割り箸やスプーンなどが大量にしまってある人もいます。

外に毎回出ると腰や足に負担がかかるという「不安」から買い込む人。

親や世間に言われた「勿体無い」「物を大切にする」という教え。

これらは、そうすることで、当時満たされなかった何かを形を変えて物を溜め込むことで満たそうとしています。

では、繰り返し物を集めてしまう人に対してどのように対応すればいいのでしょうか?

集めることを注意してはいけない

物を溜め込んでいる家族にたいして「ダメでしょ!」「何度言ったらわかるの!」と怒ったり、注意しては余計にからに閉じこもってあなたとの関係を閉ざしてしまいます。

基本的に、孤独を感じ、寂しさを感じている人が多いので、一方的にダメだと注意するのはNGなのです。

様々な理由はありますが、同じ物を集めることはやめさせることができるのでしょうか?

相手を受け止めて理解してあげること

必要ないものを集めて部屋が圧迫されていたり、不必要な出費をしてしまっていることを見ていると注意はしたくなります。

しかし、その人はやめられない理由があるものです。

そこを注意するのではなく、「そっか!ないと不安だったんだね」「毎日外出るの大変だもんね」「昔からものを大切にしてくれていたよね」など相手の行動に理解を示すことです。

そうすることであなたの話に耳を傾けるようになってくれます。

例えば、物がなかった時代を経験し、ないと不安になる人ならば、そっか!ないと不安だったんだね。でもこれはそんなに沢山必要ないんじゃないかな?

1ヶ月でこれくらいあれば十分だよ。

なんて相手を受け止めた上でコミュニケーションを取ることです。

孤独を感じている人は自ら壁を作ってしまいます。

そこをあなたが受け止めてあげることが重要です。

それだけで、あなたの話に耳を傾けるきっかけになります。

定期的に一緒に部屋の片付けをする

一人で片付けをやらせるのではなく、一緒に会話をしながら片付けを定期的に行うことです。

一緒に何かを行うということを定期的することで、その行為に楽しさを感じてもらいやすくなります。

家に家族が必ず来てくれるという理由ができるので、寂しさや孤独感を癒す事にも繋がります。

片付けすることで、何が必要で、何が不必要かを教えることにも繋がります。

一緒に買い物へいき適正な量を見直していく

家族と離れていたら難しいのですが、たまに訪問する際には一緒にお買い物へ行き、適正な必要量を皆していくことをお勧めします。

まとめ

家族とのコミュニケーションをしっかり取ることで、家族の変化に気づくことができます。

毎日忙しくしているとつい、自分のことで精一杯になってしまいます。

それは私ももちろん同じなのですが、ほんの少しだけ、自分の周りに気をかけてあげてください。

どんな時に孤独を感じているのか?

最近では孤独死という悲しい最後を迎える高齢者も増えています。

あの時にもっと連絡しておけば…

なんてあとで思っては遅いのです。

ほんの少しの気遣いが、孤立や孤独した高齢者を救うことに繋がることもあるのです。

 

 

 

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